よくある備忘録的なにか

自作キーボード、写真メインにその他諸々と

分割キーボードを完全無線化した話

オフィスやPCショップでは見かけることも殆どないと思いますが、界隈の沼地には"分割キーボード"なるものが存在しています。

文字通りパソコンのキーボードを真ん中からパカッと2つに切り離して利用するのが分割キーボード(スプリットキーボード)です。
かくいう私(このブログの著者)も、分割キーボードを設計しキットとして頒布しています。

この分割キーボードは通常はパソコン本体とはUSBケーブルで接続し、かつ分割した左右のパーツ間は特殊なケーブルで接続して有線運用するのが一般的です。

大概は有線で利用するのは問題はないですがすこし野暮ったく感じてしまうのは否めません。やはり無線化はやってみたくなります(手段と目的の錯誤)。
でやってみたのがこれ

完全無線化した分割キーボードErgotonic F24

BLE(Bluetooth Low Energy)でパソコンやタブレットと接続しています。この状態で文字が打てるのはシンプルで素敵ですね。電池を積んでいるのもわからないくらい違和感なく仕上がりました。

やりかた

無線化のためにProMicroに代えてBLE Micro ProというMCUを使用します。

BLE Micro Proを使った無線化の方法について必要なな情報はすべて公式ページに書いてあります。入手先についてもリンク先に丁寧に説明があるので参照してみてください。

  BLE Micro Pro   https://sekigon-gonnoc.github.io/BLE-Micro-Pro/

 

また既に多くの方が無線化を行いノウハウを公開されています。  キーワード "BLE Micro Pro"で検索してみてください。その他たくさんある情報の中から私が最も参考にしたページはこちら。

  Lunakey MiniをBLE Micro Proで無線化する方法

写真で詳しく手順も解説されていてわかりやすいです (Lunakyの作者でReMAPの開発者の方のページです)。

もう少し詳しいやりかた

Ergotonic F24はProMicroを利用しますが、BLE Micro Proが差し込めるように片側13ピン分のホールを用意しています。
しかし 電池ホルダーの収納方法を色々検討した結果、前述のLunakeyで紹介されているように 2階建ての方式が一番うまく行くと判断しました。そのためPCBの電源用端子は未使用です。
 
あとファームウェアの書き込み以降のErgotonic F24固有の設定だけ少し解説しておきます。

"ナビゲーション付きでセットアップを開始する" 機能は簡単なのですが Ergotonic F24のデータは公式に登録されていないので利用できません。個別に順を追って設定してください。

  •   左右それぞれに 
          "ブートローダをアップデートする"
          "アプリケーションをアップデートする"
       まで行います。
  •     "キーボードごとの設定を書き込む"の機能で   "upload your own"を選択しダウンロードしたファイル(左右別に分かれているので対応する方)   を指定してアップロードします。

物理的な搭載は、写真のように二階建てにしたBLE Micro ProをPCBへ刺すだけです。カバープレートが干渉しないように六角スペーサは10mm~11mmのものに変更するのが良いです。

Ergotonic F24に搭載したBLE Micro Pro

キーマップのカスタマイズは、普通にReMAPで行えます。便利!

 

最後に留意しておくべき点ですが

- アンダーグローLEDは電力的に諦めるしか無い
 - ロータリーエンコーダは未サポート

こんな感じです。

入力の遅延やチャタリングのような現象が気になる場合は、設定ファイルのインターバルの数字を弄って調整できます。左右のキーボードは自動的にペアリングされますがもし右手だけ反応しないような場合はコンソールからペアリング情報を一度すべて削除してみると解決するかもしれません。BLE Micro Proは私自身も一人のユーザなのでサポートはできないのは認識のほどを。

 

BLE Micro Pro 2つでキーボード本体と同じくらいの金額がかかりますがチャレンジしてみてはいかがでしょうか!

 

この記事で紹介している拙作 Ergotonic F24が気になった方はこちらから↓↓

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